片頭痛（拡張型頭痛）は、光や音やにおいなど特殊感覚にストレスがかかることが起因となって、三叉神経という脳神経から血管拡張作用ののある神経伝達物質が分泌され、頭の表面の血管が拡張することで起こる頭痛です。しかし特殊感覚への刺激やストレスと血管拡張のメカニズムは不明な点が多く、現在でも研究が進められています。

片頭痛の症状は片方もしくは両側のこめかみに、拍動性のリズムでズキンズキンと痛むことが特徴です。痛みは個人差があり数時間で治まる事もありますが、3日ほど続く方もいらっしゃいます。吐き気などの症状も伴い、運動や活動する事で悪化しますので、仕事や家事に影響する方も多くみられます。

片頭痛は薬による鎮痛効果が期待できます。トリプタン系薬剤は血管拡張を抑える働きがあるためです。しかし薬の乱用は副作用も懸念されているため注意が必要です。

緊張性型頭痛は、身体的精神的なストレスが起因となり、頚部の筋緊張が起こることにより頭痛が生じる疾患です。頚部の筋肉が過緊張を起こすと、後頭神経という神経が刺激され頭痛を起こすと考えられています。また後頭神経は間接的に三叉神経に連絡しているため、こめかみや、前頭部の頭痛にも関連しています。

緊張型頭痛は、ぎゅーと締め付けられるような、重だるい痛みが特徴です。日常生活を阻害されるほどの強い痛みは少なく、ほとんどの場合、吐き気は伴いません。長時間のデスクワークなどので誘発されるため、姿勢からの影響を受けやすいと考えられます。

緊張型頭痛は頚部の筋緊張を緩和させると頭痛も改善できます。しかし不良姿勢と関連が深く何度も繰り返している方が多く見受けられます。そのため、不良姿勢や身体の使い方を改善する事が緊張型の頭痛の改善には重要です。

片頭痛（拡張型頭痛）と緊張型頭痛は両方とも一次性頭痛に分類されます。さらに群発性頭痛という発作的に発生する原因不明の頭痛を加えて三大慢性頭痛と呼ばれます。これらは早期治療してしまえば問題ありませんが、ほおっておくと慢性化して混合型頭痛といわれる、すべての三大頭痛の症状を併せ持った状態になる事があります。混合型頭痛は原因も複雑に絡み合っているため治療も非常に困難です。

そのため頭痛は、比較的早期のうちに原因を特定し根本的な改善を行う事をお勧めいたします。

二次性頭痛とは、脳血管障害や他の疾患が原因でその影響の一つとして頭痛が起こってします頭痛です。脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、くも膜下出血などがそれにあたり、これらは速やかに専門医療機関を受診する必要があります。

当院ではこのような方の所見が、問診と理学検で認められた際には、速やかに施術情報提供書を作成し、専門医療機関にご紹介させていただきます。